はじめましての方は初めまして。
違う記事から来た方はいつもありがとうございます。
qwertです。
自分の作った創作物に対して、少なくとも自分は面白いと思っている。
しかして現状は甘くなく、おそらく50-80人の良き理解者の方々によって創作へのモチベーションを保っている。
50-80喜んで
くれているのならまだ救いはあるとは思っているものの、より多くの人が楽しいと思えるものを作りたいという承認欲求が一人前に発揮されている。
もう少し評価されないものだろうか。
…少し立ち止まってみよう。
自分を信じて突き進むのもいいが、創作は他者が見てくれて輝くような気がする。
つまりは他者の評価に真摯に耳を傾けるべきなのだろう。
ただ、評価する他者が身近にいない。
ということで、不特定多数にアンケートを取ってみることにした。
完全なる客観的意見を収集してみた。
アンケート概要
調査方法
大手フリーランサーサイトであるクラウドワークスとランサーズで、業務依頼をした。特に職種や年齢等は制限せず、募集したので、たまたま依頼を見つけて、やりたいと思った方に協力していただいたという形になる。
全曲をなるべくまんべんなく感想をもらうため、何回か依頼をしている。
質問事項
下記質問を対象曲について聞いた。
・年齢
・性別
・感想を書く曲
・その曲の良いところ
・その曲の悪いところ
良いところ・悪いところは字数制限:100文字以上とした。これはある程度具体的に書いてもらうため、一言で簡潔すぎてあまり参考にならない意見が集まらないようにするための考慮である。
報酬
一人一回答限定で、一回答:10円とした。
これで意見が聞けるなんて、なんて安い買い物だ。
結果
集計
総計
実は2時期で実施している。有効回答数としては、どちらの時期も290ほど集めた。これは前述したように全曲の感想をある程度集めるために、募集をしようと思った結果、そうなった。
① | ② | |
募集時期 | クラウドワークス 2019/9/8~9/22 2019/11/7~11/21 ランサーズ 2019/10/25~11/8 2019/11/9~11/8 | クラウドワークス 2024/1/20~2/3 2024/2/4~2/18 ランサーズ 2024/1/20~2/3 2024/2/4~2/18 |
対象曲 | 1.パラリラ ~ 27.リビングデッドの憂鬱 | 28.ba&ru ~ 56.■い■ |
有効回答総数 | 290 | 293 |
なので、約3000円×2くらいの支払いになる。
回答者年齢比・男女比
時期①、時期②それぞれ以下のようになった。
10代というは18歳以上で、クラウドワークス・ランサーズで募集した性質上、それ以下の小中高校生はアンケートには参加できず、この年代当たりの思いは確認できなかった。集計して初めて”確かに”と気づいた。(回答者がその世代に聞いて感想を求めていたのなら話は別だが)
男女比は約4:6で女性のほうが多く、年齢は30代が最も多い。サイト利用者の分布とおそらく相関があると思われるが、公開されていないようなので、あくまで推測。
ニコニコ動画のアナリティクスから、ニコニコ動画全体の分布と比較すると、男女比は逆だが、年齢比は似ていると思う。ちなみに個人的なアナリティクスだと、男女比はこの結果と同等で、年齢比は20代30代がもっと尖っている。
参考になる統計的意見になるとは思っている。
人数[人] | 男性 | 女性 | 年齢 小計 |
10代 | 5 | 5 | 10 (3%) |
20代 | 19 | 60 | 79 (27%) |
30代 | 46 | 46 | 92 (32%) |
40代 | 30 | 40 | 70 (24%) |
50代 | 15 | 19 | 34 (12%) |
60代/70代 | 3 | 2 | 5 (2%) |
男女 小計 | 118 (41%) | 172 (59%) | 合計 290 |
人数 [人] | 男性 | 女性 | 年齢 小計 |
10代 | 0 | 5 | 5 (2%) |
20代 | 12 | 39 | 51 (17%) |
30代 | 31 | 60 | 91 (31%) |
40代 | 30 | 56 | 86 (29%) |
50代 | 20 | 26 | 46 (16%) |
60代/70代 | 6 | 8 | 14 (5%) |
男女 小計 | 99 (34%) | 194 (66%) | 合計 293 |
回答があった曲の回答比率
特に曲別で回答制限数を設けなかったが、偏りがあったり、回答数が少ない場合は依頼内容に追記、あるいは新たに依頼を作って、調整をおこなった。
最終的な回答の分布は以下のようになった。
時期①では、デビュー作で表示上先頭になってしまう『パラリラ』が一番多く回答をもらった。
時期②では、1度目の依頼で全く意見がなかった『ect.』と『KARAPPO dance』を再依頼で募集した関係でその比重が増えていた。『バニラアイス』が多かったのはほかの曲と音色を変えたコンセプトだったので、感想が書きやすかったのかもしれない。
回答分析
分類
回答の内容を下記6種類に分類することで、どの方向に良さ・悪さがあるのかを見えるようにした。
①作曲について
曲の音に関することに対してのコメント。音質やメロディ、曲調に関する評価。
②作詞について
歌詞に関するコメント、評価。タイトルに関することもここで考慮。
③ボカロについて
歌唱、ボーカルに関するコメント。いわるゆ調教技術に関する評価。
④テーマ、コンセプトについて
曲のコンセプトに関するコメント。曲を通じて感じたテーマに関する考察や評価。
⑤動画に関するコメント
動画や絵に関するコメント、評価。
⑥良いところなし/悪いところなし
『良いところは?』という質問に対し、『なし』、あるいは『曲を完成させたところ』という評価。
『悪いところは?』という質問に対し、『なし』、あるいは『ないが強いて言うならXXX』という評価。
1つの回答で複数項目にかかわる場合は最初に挙げているものをカウントすることとした。2番目以降は文字数制限のためにひねり出したことの可能性があるためだ。あるいは2番目以降でも回答の熱量が大きいものはそちらのほうが言いたいことと判断し、その項目でカウントすることとした。(ちゃんと全部読みましたよ)
結果は以下のようになった。
差分について、項目⑥以外は良いところの数から悪いところを数を引いたもの、項目⑥は逆にしている。つまり、差分が+であれば好意的な意見のほうが多く、-であれば否定的な意見が多いという意味になる。
回答数 | ①作曲 | ②作詞 | ②ボカロ | ④テーマ | ⑤動画 | ⑥なし |
良い | 197 | 58 | 10 | 20 | 1 | 4 |
悪い | 163 | 40 | 64 | 16 | 5 | 2 |
差 | 34 | 18 | -54 | 4 | -4 | -2 |
回答数 | ①作曲 | ②作詞 | ②ボカロ | ④テーマ | ⑤動画 | ⑥なし |
良い | 179 | 58 | 11 | 42 | 1 | 2 |
悪い | 155 | 32 | 81 | 18 | 3 | 4 |
差 | 24 | 26 | -70 | 24 | -2 | 2 |
絶対数と差分
ここで重要なのは”絶対数”と”差分”である。
まずは差分について。
誰かにとって良いと思っていることは、誰かにとっては悪いところに感じる場合がある。例えば、作詞のところでいうと、『こういう風に解釈できて面白い』という意見があれば『何を伝えたいのかわからない』という意見がある。解釈を楽しむ人にとっては直接的な表現の歌詞は好まれないし、はっきり言わないとわからない人にとっては抽象的な歌詞はイライラする。作曲のところでいうと『独特なフレーズが繰り返しあり、頭に残る』という意見があれば『同じフレーズが繰り返されて飽きる』という意見があり、これも相反しているといっても過言ではない。
考えた結果、良い意見と悪い意見の差分に注目することによって、つまりは良い意見の数と悪い意見の数を相殺させることで、真に受け止めるべき意見がどこにあるかをあぶりだそうという魂胆である。
改めて前項の表を確認する。
分かりやすく差分のマイナスが大きいものは③のボカロに関する項目だ。
そして、絶対数について。
前述したように”誰かにとって良いと思っていることは、誰かにとっては悪いところに感じる”とは言ったものの、しかして、その悪い意見の数が多い場合は看過されるべきではないだろう。意見の絶対数が多いということは、視聴者がわかりやすく注目している観点ということを意味しているためだ。
その観点で、悪い意見の絶対数が多いのは①の作曲に関する項目だった。
時期の違い/変化点について
時期①と時期②での自分の作製環境の違いも把握しておくべきだろう。
時期①でアンケート取った後、正直ここまでの分析はできていなかった。ある程度見て行って、音源に関する記述があったので、DominoによるデフォルトPC音源での作曲からStadio oneでの作曲に切り替えをしている。
また、『ボカロなので…』という記載もあったが、そういうものだと思いつつ、UTAUだけではなく、初音ミク/可不を使うようになった。
受け止めるべき指摘
すべての意見を否定しないが、すべての意見を取り入れることはできない。これは、多様性を認めるけれど、すべての人間が納得して守れるルールを作るのが不可能であることに似ている。
つまりは重点指向で意見を反映したほうが最大限の効力を発揮するはずで、前項の分析はその手掛かりである。
なので、①の作曲についてと③のボカロについての意見を具体的に見ていこう。
①作曲について
具体的な意見が以下のようになっている。
・曲調が単調でサビのインパクトも耳には残るが弱い。1番も2番も展開が同じなので飽きてくるし、最後のサビの繰り返しも特に盛り上がりもなく繰り返しているだけという印象です。(40代男性、パラリラ)
・個人的な好みですが、最初から最後まで一定の調子なので、転調したりサビの盛り上がりがもう少しあったらより好きです。(20代女性、カイコ)
・メロディのテンポは良いが、歌詞のテンポが一定すぎて間延びしている気がするので緩急が欲しい。サビの盛り上がりがもっとほしい。一曲を通しての変化がもっと欲しい。(20代女性、HATE)
・終始平坦でのっぺりしてて、他の展開が欲しくなりました。良いところで書いた不思議なハーモニーもつかみとしては良いけど、続くとしつこい感じがあります。(30代男性、どうせ)
つまり、単調・展開がないというのが大半であった。
自分ではAメロとかサビとかつけているつもりであったが、あまり曲調としては変化がないのかなと思った。あるいはリフに頼りすぎているのかな。しつこいかあ。
・好きなリフでも使いすぎには注意すること。
・もっと短時間での変化を意識してみること。
この2点を今後は考えてみようと思う。
ちなみに時期①では上記意見に加え、音のバランスについて結構多かったが、DAWを変えたおかげか時期②では少なくなった。
③ボカロについて
具体的な意見が以下のようになっている。
・正直な所、曲調もボーカロイドの調教も自分好みではなく苦手で、何だか不安な気持ちにさせるような感じがしました。(20代女性、アンコール)
・初音ミクの歌声が少々、甲高いため少々、ベースとなるリズムに対して浮いている印象があります。また、せっかくの歌詞が、聞きづらいです。(50代男性、待合室と髑髏)
・ヴォーカルの歌っている歌詞がよくわからないです。もう少しどのような歌詞なのかハッキリと聞きたいと思いました。(30代男性、はいかぶりん)
・歌詞を見ないと、何を言ってるのか分からない部分が多いので、もう少しはっきり発音したり、ゆっくり歌ったらもっとわかりやすくなると思います。(30代女性、■い■)
全体的には聞き取りずらいという意見である。UTAUや初音組を使っているときは結構ベタ打ちで作っているので、慣れていない人には厳しいのかもしれない。
最近可不を使ったり、VOICEVOXを使ったりしているが、それでもかとも思ったりしている。(”美しさが邪魔をする”の悪かった点にボカロ関係がなかったので、ある程度改善はされていると思う)
調教を頑張るか、あるいは、そういう色眼鏡対策で誰かに歌ってもらうかを考えてみよう。
一切合切のつてがないので、歌い手募集してみる?
おわりに
念のため、再度述べておくが、すべての意見を私は読んでいる。もしかするとここで上げていない意見でもそれが頭の片隅にあり、ふとした瞬間に反映されているということも否定できないだろう。
すべての意見に感謝しかない。
協力していただいた方、改めてありがとうございます。
特に良かった点は承認欲求を刺激され、『わかってくれてる~。うれしい~』と小躍りしている。
真摯に向き合って、それでも自分を大切にして曲を作っていこうと思う。
それでは、今後ともよろしくお願いします。
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