はじめましての方は初めまして。
違う記事から来た方はいつもありがとうございます。
qwertです。
以下の記事はご覧になって頂いただろうか。
ここで、空気抵抗を考慮した物理計算式をさらっと提示したが、実際はガチガチに微分方程式を解いてやっとこさ導出した。
なので、その証を残しておこうと思う。
空気抵抗が速さに比例するとき
速度が遅い流れや層流などでは抵抗は、粘性抵抗だったり摩擦抗力だったりで呼ばれ、速度に比例するらしい。
$$F=6πaηV=α\frac{dx}{dt}$$
$$a:半径,η:粘性係数,α:空気抵抗の係数 $$
よって、運動方程式より
$$-α\frac{dx}{dt}=m\frac{d^2x}{dt^2}$$
$$m:質量$$
また、改めて書くが、距離:x、速さ:v、加速度:aを時間:tの微分の形で関係を示すと
$$a=\frac{dv}{dt}=\frac{d^2x}{dt^2}$$
$$v=\frac{dx}{dt}$$
つまりは以下の微分方程式を解けば導出できる。
$$-αv=m\frac{dv}{dt}・・・①$$
$$v=\frac{dx}{dt}・・・②$$
2階微分だと問答無用の拒絶反応や難解そうなイメージが付き纏うので、こういう表現で書いてみた。
さて、微分をしても同じような形(関数)になるというところを見ると、一般式は自然数の指数関数になりそうだということが分かる。
ということで、まず速度:vの式を仮に
$$v=C_1e^{a_1t}+C_2e^{-a_2t}$$
と置いて、①に代入すると
$$-α(C_1e^{a_1t}+C_2e^{-a_2t})=m(a_1C_1e^{a_1t}-a_2C_2e^{-a_2t})$$
係数比較より
$$-αC_1=ma_1C_1 ⇒ a_1=-\frac{α}{m}$$
$$-αC_2=-ma_2C_2 ⇒ a_2=\frac{α}{m}$$
元の式に代入すると
$$v=(C_1+C_2)e^{-\frac{α}{m}t}$$
t=0で初速度:v0とおくと、
$$v=(C_1+C_2)e^{-\frac{α}{m}・0}=C_1+C_2=v_0$$
よって、速度の式は
$$v=v_0e^{-\frac{α}{m}t}$$
これを②の式に代入して、積分すればいい。
$$\int{\frac{dx}{dt}}dt=\int{v_0e^{-\frac{α}{m}t}}dt$$
$$x=-\frac{mv_0}{α}e^{-\frac{α}{m}t}+C$$
t=0でx=0とすると
$$0=-\frac{mv_0}{α}e^{-\frac{α}{m}・0}+C=-\frac{mv_0}{α}+C$$
$$C=\frac{mv_0}{α}$$
よって、x方向の式は以下のようになる。
$$x=\frac{mv_{0}}{α}(1-e^{-\frac{α}{m}t})$$
空気抵抗が速さの2乗に比例するとき
速度が速い流れや乱流などでは、抵抗は、慣性抵抗だったり圧力抗力だったりで呼ばれ、速度の2乗に比例するらしい。
$$F=\frac{1}{4}πρ_{0}a^{2}V^{2}=α'(\frac{dx}{dt})^{2}$$
$$ρ_{0}:密度 ,α’:空気抵抗の係数 $$
よって、運動方程式より
$$-α'(\frac{dx}{dt})^{2}=m\frac{d^2x}{dt^2}$$
つまりは以下の微分方程式を解けば導出できる。
$$-α’v^2=m\frac{dv}{dt}・・・①$$
$$v=\frac{dx}{dt}・・・②$$
①の式で、変数分離して解く。
$$\frac{dv}{v^2}=-\frac{α}{m}dt$$
$$\int{\frac{dv}{v^2}}=-\frac{α}{m}\int{dt}$$
$$-\frac{1}{v}=-\frac{α}{m}t+C$$
$$v=\frac{1}{\frac{α}{m}t-C}$$
t=0で初速度:v0とおくと、
$$v_0=-\frac{1}{C} ⇒ C=-\frac{1}{v_0}$$
よって、速度の式は
$$v=\frac{1}{\frac{α}{m}t+\frac{1}{v_0}}$$
$$v=\frac{mv_0}{αv_0t+m}$$
これを②の式に代入して、積分すればいい。
$$\int{\frac{dx}{dt}}dt=\int{\frac{mv_0}{αv_0t+m}}dt$$
$$x=\frac{m}{α}ln{αv_0t+m}+C$$
t=0でx=0とすると
$$0=\frac{m}{α}ln{αv_0・0+m}+C=\frac{m}{α}ln{m}+C$$
$$C=-\frac{m}{α}ln{m}$$
運動方程式はx方向の式は以下のようになる。
$$x=\frac{m}{α’}ln(\frac{α’v_{0}}{m}t+1)$$
おわりに
導出自体に興味を持って、ここまで読んでくれた人はとても稀だろう。本質を知ろうとすればするほど、マニアックだ。その深淵にどこまで潜るか、時間をかけるか、各人の判断になる。
この記事が誰かの時間を最小化していれば、幸いだ。
アイキャッチ画像は下記より使用させていただきました。ありがとうございます。
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